スジョンの独白 第16話
もう ブチ切れ状態 いつまでも 小さくなってなんかいられない、ついでだから言いたいことは言うぞぅ。
ジェミンは謝りながら携帯を置いていった、それと あの部屋は知られてないから使えって。
イヌクさんは懲りない女って顔で見たから『遊ばれた可哀想な女を 気遣ってくれてありがとう』って嫌味を言ってあげた。
ギャラリーも辞めるついでに、傲慢女がガタガタ言うから『決まったわけじゃないから 女房面するなって、まだ分からない』と凄んでやった。
あの女負けずに『可哀想な女 ふしだらなうえに頭まで悪い』なんて言うから『婚約した身で 男と会ってる あんたに言われたくない』って・・・ア~ア スカッとした。
あの女をギャフンと言わせてやる、プライドが一番大切なものらしいから プライドを徹底的に痛めてやる。
ナニィ・・・携帯の短縮 1番 ジェミンに変更してるぅ・・・ムムム 嬉しいのかなァ・・。電話したら
ジェミン君 上ずってました、これからデートです、同情や貧乏大作戦は終了。
おもいっきりお洒落して カクテルドレスなんか着ちゃうよ、ジェミンが喜ぶ顔が見たい、案の定 ジェミンが私を誇らしく思った瞬間でした。
バンバン ワインを飲んで さぁ~頑張るよ、金持ちを落として 仕返しの開始だよ、怖いものも 失うもを持たない スジョンちゃんのジェミン君を遊んじゃおうです。火傷をするのも怪我をするのもジェミンです。喜ばせる為だけじゃないの。
誰も彼も人の顔を見れば、身の程知らずだ 遊ばれてるだ 可哀想な女と決め付けてるのは僻み&嫉妬 口惜しかったら真似できる?
『イヌクさんと同じ年の兄貴、オタクの会社に就職させてよ』頼んだからね、あんな兄貴が居たら恥ずかしいじゃない。チョを就職させたって自慢するけど、頼んだ積もりないよ。
ジェミンはバリに行って私とイヌクに在ったのが一生の不覚だって。
その台詞はこっちが言いたいよ アレから碌な事がない、バリにいた頃は 夢も希望も人並みにありました・・・なにが希望かって聞かれたから『バリのビーチでプチホテルの経営』・・・直ぐに キム理事に電話して物件調査しちゃう 金持ちだけど嫌味がないな~。
ジェミンは何でそんなに強気なんだ~って 絶世の美女だと勘違いしてるのかぁ~と ビックリしてる。
1日だけのシンデレラ気分かな? ワインの所為 それともこのドレスの所為 私にも分からない、イヌクさんが私を哀れんでジェミンに『スジョンに同情して 弄ぶな』って言ったから?
仕返ししてやる筈が 正体もないほど 飲んじゃって 気がつけばいつも泣いてる私が 笑ってる。
部屋でラストのワインを飲んで帰るつもりでいたら、イヌクさんから電話『帰って来い』・・・ジェミンが怒鳴ってる。
”お前をものにしたい そのすべてを”・・・言葉が信じられた瞬間だった。
『お前を楽しませたい 喜んでいて欲しい 笑って欲しい いつもその一心だ。
ところが現実はその逆だ・・俺のせいで 殴られ 追い出され 泣いている それが辛い』・・ジェミンの不器用だけれど嘘がないところが好きです。
ジェミンの願いは私の願い・・・最初は 良い金蔓だと思って お金借りるとか 仕事見つけてもらうとか ご飯奢ってもらって、遊びに連れてって貰ったりする 悪いなんて思わなかった そのうち欲が出て落としてやろうと思った。
私のことをウザイ、しつこい女だと 冷たかった頃の方が気楽だったな 心を許さないのは最後のプライドと決めていた・・それでもいいとジェミンが泣いた・・・この瞬間 心と体を分けて考える事が出来ない自分がいた。
この日私は初めて自分が一番欲しかったものを見つけた、全身で愛し・愛されることの充足を、そして、このことを 冗談で語れないと知った。嵌めるも・落とすも・仕返しも
一緒に過ごした日 照れて 髪の毛に手を触れて キレイだってシャンプー何使ってるぅだって。
帰るな!泊まっていけって言ってくれた。5分でいいから・・3分・・1分でも。
5分じゃ済まない私の心、1分いればそれが1週間私の心に残る、ジェミンを思って携帯握りしめて 会いたくて 声が聞きたくて 毎晩泣きながら眠るこれからの日々。
帰る私も泣いたけど、送るジェミンも血の涙を流す、二人とも無傷ではいられない。